華道家元池坊いけばな教室 花空間 +++渡辺伯櫻+++

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ブログ 花ごころ

  • 清風明月。 2009/10/17
  • 思い出。

    父が亡くなって2年。

    まだまだ寂しいです。
    きっといつまでも寂しいんでしょう。

    立花新風体を出瓶しました。

    松、糸菊、しだれ柳・・・。

    父の面影。

    父の闘病中は、病院に24時間付き添っていました。
    何日も・・・一ヶ月以上は一緒にいました。

    中研にも病院から出発して、病院に帰ったり・・。
    休み時間には福岡に電話をかけて、病状を逐一聞いて、
    いつでも帰る覚悟して・・・・。

    私が幼い頃や娘時代は、とにかく厳格な父でした。

    家で寛いでてゴロンと横になっていても、
    父が登場すると飛び起きてキチンと座りなおしたりするほど。

    朝と眠る前は手をついてご挨拶。

    しかも20歳すぎても門限は5時。

    あまりに早すぎです・・・。
    小学生のほうが遅くまで外で遊んでます・・・。

    でも年を重ねて、父はどんどん優しい父になりました。

    自分の状況がわかっていたのかもしれません。

    風流な父は、病室からの景色も楽しんでいました。

    病室の窓を開け、父と一緒に見上げた月。

    清々しい風が吹き抜ける秋の夜。

    父と見上げた月の輝きは忘れることができません。

    「清風明月。あぁ、ここに美酒があったなら・・・」とニッコリ笑った父・・・。

    かつて一緒に見上げた月を、一人で見上げるとたまらなく切なくなります。

    同時に、見上げた月が父のように思えてきたりします。

    ほのかに輝く月。

    厳しくも優しかった父が、そっと照らしてくれてるような気がします。

    清風明月。