華道家元池坊いけばな教室 花空間 +++渡辺伯櫻+++

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ブログ 花ごころ

  • 梅・・・。 2008/12/24
  • 天の原空さへさえや渡るらむ
         氷と見ゆる冬の夜の月
              (恵慶法師 拾遺集)

    寒い日が続きますね。

    今年もあと何日・・・・と数え始めると、時が経つのが更に早まるような気がします。

    ラグビーでも納会が行われ、今年一年の締めとなりました。

    試合や練習で楽しい日々を過ごしましたが、私にとっては草木の変化というもう一つの楽しみがあります。

    私がよく通っているグラウンドまでの道や、グラウンドの周囲は自然豊か・・・。
    四季折々の風情を楽しませてくれます。

    12月も半ばを過ぎると、その周囲の木々もすっかり冬枯れの趣となりました。

    黄色に色づいた葉が、風に吹かれながら最後の輝きを見せてくれています。
    その葉がとうとう落ちてしまうと、枝の骨格があからさまとなり、その節々には新芽の気配が見えてきます。

    毎週のように、同じところに行き、同じ枝をみることができると、微妙な変化を感じ取ることが出来て・・・・
    グラウンド通いが楽しみでたまりません。

    年月を重ねても、一瞬の草木の輝く様にはいつも新鮮な感動・・・。

    池坊いけばなを愛する方々の多くが、きっとそうなのではないでしょうか。

    凍てつく冬の夜。

    来る年の希望へ思いを馳せながらも、今年一年出会った草木を思い返しています。

    枝を扱った時の、力の感覚。

    葉をさばいたときの、しなやかな感触。

    来年もまた素敵な一瞬に出会えることを願っています。

    そういえば、こんなに寒くなると必ず梅をいけたくなります。

    凍える寒さの中で、清らかな花を咲かせてくれる梅。

    思い出いっぱいの梅。

    白梅のふくらんだ蕾は、小さな月のようにも感じられます。

    いけてみよう。

    希望の月を。