華道家元池坊いけばな教室 花空間 +++渡辺伯櫻+++

華道家元池坊いけばな教室 花空間 +++渡辺伯櫻+++


ブログ 花ごころ

  • 霜・・・。 2007/12/11
  • 山がわの 氷やうすくむすぶらむ
        下に木の葉ぞ みえて流るる
                  (北条泰時 続古今集)

    朝霜・・・。

    踏みしめると、霜の音。

    寒さが落葉を促し、我が家のケヤキもすっかり葉を落としました。
    名残の一葉が、霜の後の陽光をうけています。

    落葉する木と入れ替わるように、黒文字の木に新芽。
    小さな芽がもつ命の力に勇気付けられたり、嬉しさがこみ上げたり・・・。

    もの言わぬ草木・・・それでも伝わる草木の心。

    池坊のいけばなにおいては、木物、草物という植物の分類方法がありますが、
    その木物が力強く、美しい季節。

    少し早めに芽吹きはじめた枝をみると、
    立花をいけたい!という気持ちが高まります。

    今年は慌ただしく過ごしたので、渓流に行く機会が殆どありませんでしたが、
    この時期の渓流は、落ち葉が流れたり、
    枯れた水辺の草が水の流れに身を任せたりと、
    他の季節にはない独特の風情をあらわしてくれます。

    冬枯れの中に潜む命の輝き・・・。

    木物で立花をいけたくなりました。

    椿も葉の艶が増しています。

    いけましょうか・・・立花。