華道家元池坊いけばな教室 花空間 +++渡辺伯櫻+++

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ブログ 花ごころ

  • 生花・・・。 2008/04/11
  • 指先の感覚。

    腕が覚える力加減。

    生花(ショウカ)・・・・・。

    池坊のいけばなの花形の中で、
    ワイヤー、テープ類を一切使用することがご法度になっている花形です。

    心で感じた表現を、自分の腕や指先の感覚で形にあらわす・・・。
    力加減も、方向も、すべて自分の手指の感覚。
    こっちに曲げたいから、ワイヤーを。とか、折れたからワイヤーやテープでつないじゃおう・・・なんてことは絶対だめ。

    私はどんな状況下であっても、
    「折れたらその枝は、スッパリあきらめてね〜。自由花や立花に使いましょうね〜」と。
    どんな時でも、ご法度はご法度!
    シビアなようですが、池坊いけばなを学ぶ生徒さん達に対して、
    ご法度になることを教えるわけにはいかないのです。

    技術力が問われるので、習得するのには根気が必要ですが、
    その分、できるようになると達成感、充実感が味わえます。

    柳をコツコツお稽古していた生徒さん。
    だんだんと生花の型になってきました。

    最初はなかなか真の型が定まらず、とことん折りました!
    でも努力のかいあって、最近はスイスイ(笑)
    真がきまれば、副はおのずから・・・。
    真、副がきまれば、体も自然につかめます。

    流れるような美しい役枝。

    生徒さんが必死になっていけた生花。

    それまでの努力が思い返され、私まで涙がでてきました。

    「なんとなく・・・」

    生徒さんたちの言葉で、この「なんとなく・・・」という言葉を聞くと、
    「あ、わかってきたみたい」と思えるのです。

    感覚の世界ですから、理論だけではできるようにならない生花。
    なんとなく・・・は、感覚がつかめてきたときの素直な言葉だと感じています。

    コツコツ、コツコツ。

    草木と向き合い、草木と対話して。

    頑張りましょう〜

    私も頑張るから。