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ブログ 花ごころ
情感・・・。
2008/09/15
ありし日に 父がひきたる大弓の
紫の房は色あせにけり
(松田常憲)
葛の花。
路傍の葛に紫の房。
いつも葛の紫の季節になると、冒頭の一首を思い起こします。
秋月の乱へと出陣した父を詠んだ歌として、
往時の面影を今なお遺す秋月の歌碑に刻まれています。
「ありし日」という言葉。
切なく悲しい含みがあるとは思っていましたが、
これほどとは・・・。
やはり情感というものは自己の経験によって
その深さ、含みが増すものだと、今更ながら実感しています。
毎年のように行っていた夏の秋月ですが、
今年は行きませんでした。
行かなかったのか・・・
行けなかったのか・・・
あまりに多い思い出に、行く勇気がなかったのかもしれません。
私のかわり・・・というわけではないのですが、
家族が秋月へ・・・。
秋月の豊かな水を思わせてくれるような芳醇な梨をお土産に持ち帰ってくれました。
秋月の梨・・・・というだけで、
なんだかひときわ美味しく感じました。
来年の夏は行ってみよう。
葛・・・。
まだまだ褪せない記憶とともに。
いけてみようかな。
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