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ブログ 花ごころ
最高の花とは・・・?
2010/05/28
時々、質問される事。
「先生にとって、今までで一番!と思える最高の作品は?」
私自身多くの場合、作品制作の際には、その時々の瞬間的な気持ちをいけるので、
基本的に、昔の作品を振り返って「これが一番!」ということはありません。
今、この瞬間の花が今の一番。という感じでしょうか。
でも、あらためて質問されて、よくよく考えてみると・・・
私にとって、「ああ、あの時の花が一番の作品なのかも・・」という作品があります。
それは、父の最期の日に父のベッドから見えるところにいけた作品。
自宅で終末期看護をしていたので、かなりシビアな状態でした。
本格的な作品ではありません。
看護の合い間に、5分もかからずいけた小さな作品。
もう声が出なかった父が、満面の笑みで拍手をするような仕草で喜んでくれました。
まさかその数時間後に旅立ってしまうとは予想していませんでした。
いつかは来るのだろうと思ってた父の最期でしたが・・・
用いた花は「ウィンターコスモス」
淡い黄色の小さな花。
父の瞳には、どんな風に映っていたんだろう?
ウィンターコスモスは、私にとって忘れられない花になりましたが、
実はあれから一度もいけられなくなりました。
もう少し時が経てば、手にすることもできるのかもしれません。
今の季節の父との思い出の花は、紫陽花です。
父が丹精した紫陽花は、今も父の庭を彩っています。
私が生まれた季節の花でもあるので、父が一生懸命育ててくれていました。
花。花。花。
花は思い出ばかり・・・。
ちょっと切なくなってしまいます。
でも・・・ありがとう。
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