華道家元池坊いけばな教室 花空間 +++渡辺伯櫻+++

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ブログ 花ごころ

  • 小京都・・・。 2007/09/24
  • ありし日に父がひきつる大弓の
          紫の房は色あせにけり  (松田常憲)

    路傍に咲く葛の花。
    生命力豊か・・・・。

    福岡には「小京都」と呼ばれるところがあります。
    ・・・・秋月。
    秋月城址があり、「筑前の小京都」として知られています。

    冒頭の歌は、秋月の乱に出陣した父を詠んだ歌として、
    歌碑に残されています。

    秋月へは毎年のように行きますが、初めて行ったのは
    中学生の頃。学校のキャンプでした。
    清らかな水、清々しい緑。
    夏の秋月は、溢れんばかりの瑞々しさでした。

    季節は秋。
    葛の花の深い紫が褪せる頃には、木々が色づくでしょう。
    秋月城址の付近も、実に趣深い情景です。

    福岡で、葛といえば、秋月。
    その優しい味わいには、いつもホッとします。

    遠く九州にありながら、京を思わせる名残がある地。
    秋月の他には・・・太宰府でしょうか。

    学生時代を過ごした思い出深い地です。
    休講になると、友人達と坂道を降りて太宰府天満宮の境内へ。
    山に囲まれ、繁華街の天神へは遠くて・・・。
    ・・・で、境内や時には太宰府園をウロウロ(笑)
    ま、途中、お約束の「梅が枝餅」はちゃんといただき、しっかり腹ごしらえ・・・(笑)
    焼き立てで、ラップに包んでいない梅が枝餅は、本当に香ばしくて美味で・・・
    ・・・一味ちがいますよ。(知る人ぞ知る絶品のお店があるんですよ、うふふ)

    太宰府の地名にも、「五条」や「観世音寺」など雅な名前が残っています。
    古の人々は、その名から京を感じ、懐かしんでいたのかもしれませんね。

    今、思い返せば学生時代の私たちは、ドタバタ慌ただしく過ごしていました。
    雅な地で(笑)
    電車の乗り継ぎが大変で、講義に遅れそうな時は
    太宰府駅では、そりゃもう大騒ぎ。
    教授の方々も同様で、一緒になってタクシーに乗り合わせて駆け込んだり・・・(笑)
    もっとその地を味わうような、落ち着いた日々を過ごせばよかったのに・・。
    本当に味わってばかり(汗)

    ま葛原 なびく秋風 吹くごとに
         阿太の大野の 萩が花散る (万葉集)

    季節の移りは、花の移り・・・。

    一瞬の輝きを見せる葛。

    優しい感じにいけてみましょうか。