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ブログ 花ごころ
啐啄同時・・・。
2009/02/13
いつのことだったか・・・?
以前にもこの禅語について書いた記憶があります。
普段のレッスンで、時折感じるこの言葉「啐啄同時」
ひな鳥が内側から殻を破ろうとつつく・・・
親鳥がそれを助けるかのように外側からもつつく・・・。
その双方の瞬時の時が合わさった時に、無事にひな鳥が生まれる・・・。
その様子をたとえて、師匠から弟子へと伝え、その弟子がしっかりと独り立ちへと向かう・・・
その瞬間を深くあらわした禅語です。
生花を指導していると、つくづくこの言葉の意味の深さを実感します。
少しずつ・・・少しずつ・・・。
その生徒さんの到達点を見極めながら・・・。
またその生徒さんの心境を察しながら・・・。
その生徒さんが自分できちんと生花がいけられるようになるためには、
この啐啄同時が欠かせないと感じます。
私が急ぎすぎてはだめ。
生徒さんを待たせすぎてもだめ。
その瞬間のために、日々があるような・・・
そんな気もします。
その瞬間が・・・私にとっての冥利のような・・・
そんな気がします。
手が覚える感触を、しっかりとその人のものとするには、
弛まぬ努力が必要で、時には立ち止まることもあるでしょう。
生徒さんが立ち止まったら・・・待ちましょう。
また歩き出したら・・・共に歩きましょう。
私もそうして教えてもらいました。
来る日も来る日も柳を持って通う私を、
しっかりと受けとめてくださった今は亡き師匠をしみじみと思い出す瞬間でもあります。
一歩、一歩。
春はもうすぐそこまで・・・。
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