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ブログ 花ごころ
山笑う・・・。
2009/02/13
眠りから覚める山。
春一番が吹き荒れる中、太宰府に・・・。
ちょうど梅が見ごろ。
太宰府天満宮では、今日から奉賛いけばな展が開催されており、
移り行く季節のいけばなが回廊を彩っています。
父との思い出の太宰府を、母と、叔母と歩きました。
懐かしさとほろ苦さ・・・。
太宰府を訪れるたびに味わうこの気持ち・・・
きっといつまでも。
都心よりも2〜3度気温が低いといわれる太宰府の里山も、
春一番が眠りから目覚めさせてくれたようで、
降りだした雨が、木々の芽をひときわ艶やかに輝かせてくれていました。
隣接の九州国立博物館では、「工芸のいま 伝統と創造」と題して、
九州の作家の方々の作品展が開催されていました。
至極・・・・。
土と炎の出会いから、それぞれの作家の方々の感性によって、
これほどまでの美しさが生まれるなんて・・・。
ひときわ心惹かれたのは、酒井田柿右衛門先生の作品。
生徒さんが柿右衛門磁器の研究員をなさっている関係で、
あらためてその素晴らしさを認識させていただきました。
年末には研究発表会を暫し拝聴させていただいたのですが、
その研究の奥深さと確かさに深く感銘を受けました。
乳白色の生地に描かれる余白の美。
桜の花びら、葉の一枚一枚が、濃淡によってふっくらとした表情・・・。
四方面から眺めてみると、そこにはそれぞれの絵が呼応し、共鳴するような・・・。
幹のささやかな風情までもが、手を触れたくなるような優しさに満ち溢れていました。
また嬉しい再会も・・・。
以前、陶芸番組制作でお手伝いさせていただいた志田先生の作品。
櫛目の繊細な表情が更に深みを増していたように感じました。
陶磁器を鑑賞すると、不思議に落ち着いた気持ちになりますね。
いつも手にする草木が育まれる大地だということが根底にあるからかもしれません。
薄緑の葉色の輝きの向こうに・・・
紅梅の鮮やかな枝の向こうに・・・
父の面影を感じたような・・・
そんな心と感動を持って、太宰府をあとにしました。
次に訪れるころは・・・
もっと笑った山に出会えるでしょう。
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